「あのう・・・実は言いにくいのですが。」
「はい、なんでしょうか?」
「大変、失礼かもしれませんが、場所の代金はどうなりますか?」
「それぞれの応分に・・・でいかがですか?」
「下世話でスイマセンが、それなら参加者が多い方が安くなりますよね?」
「ええ、そうなりますね」
「実は、彼と話していて、負担が減るなら多くてもいいかなっと・・・」
「しかし、多人数でも大丈夫ですか?」
「不安ですが、負担が少ないならきっと混乱しないかと思います」
「あら、、、そうですか(汗)」
「スイマセン、下世話なわたしたちはお金が絡むと思いきった決断をします」
おいおい、、、
思い切った決断ってそこにかい!・・・
などと思いながらも
これでリスク回避をすることができて俺はホッとしていた(笑)
「それと・・・」
「はい、なんでしょうか?」
そこでまた実は・・・
から始まる言葉をじっと待つ俺は
ある意味、こうなればどこまでいけるか!!
彼らに忍耐力を鍛えられているような精神状態であった(笑)
「ただ、、、お話しをしておかないといけない事があります」
「ええ、どうぞ。」
「実は、わたしは妊娠三か月です。」
「えっ??」
「でも、かえってエロエロモードは増しています」
「はい・・・」
「メタボな男と妊婦。こんなカップルでもいいか彼女さんにも訊いてください。」
「わかりました。」
うんざりした俺はもうそろそろ潮時だと感じ
それまで、ヤリトリを黙って見ていたパートナーに伝えることにした
「これって、、、どうする?」
「うーんさすがに・・・よね?」
「あぁ・・・まったくだよ。」
「とにかく、しっかりと断ってね。」
「わかったよ。きっとうまくできるよ(笑)」
とにかく彼らとの出逢いまで、あと一週間しかない
「すいません、実は予定していた日程では難しくなりました」
俺がメールを送るとすかさず返信がやってきた
「え??どういうことですか?」
「申し訳ないのですが、彼女と都合が合わなくなってしまいまして。」
「本当のことを説明してください」
「申し上げたそのままです」
「実は・・・と言われると全部が信用できなくなります。NGですよ」
「そうですか、残念ですが仕方ないですね」
「それでは大人として恥ずかしくないのですか?」
「すいません、この話はなかったことにしましょう」
こうして一方的にメールを切り上げた俺は
モヤモヤした気分を晴らす為
途中から同時進行で進めていた仲良しの大人達と
すんなりと別日程でパーティを開催し
妖しく楽しい時間をたっぷりと過ごすことができた
もちろん・・・
あれ以来、俺の禁句辞書に
「初心者」「レズプレー」の上に「実は」が加わったのは言うまでもない。
それと・・・
彼らは未だにそこらの海を回遊しております
「実は・・・」から始まるメールにはよくよく気をつけてくださいな(笑)
了