「ワタシ・・・なんでもできる気がする。」
「それは、自らがソレを求めているということだね?」
「いえ、違うわ。」
彼女はこちらを真っ直ぐに見つめ返す
その言葉の強い調子に俺は思わず足を組み替えた
「じゃあ、もしかして・・・俺の為とでも?」
「ううん、、、そうでもない。」
揶揄するような俺の口調に気が付いたのか
ゆっくりとグラスを傾けながら彼女は笑みを浮かべて応える
そこは週末の混み合う酒場のカウンター
喧騒に満ちている場所
何気ない顔をして俺たち二人は語り合っていた。
「もちろん、自分の中にソレは存在しているわよ」
「あぁ、だろうね。しかもたっぷりと・・・(笑)」
俺は彼女の言葉に被せるように素早く反応した
すると、、、、彼女は伏し目がちに口を開く
「ええ、たくさん。」
「でも、、、出さない。」
「出さない??」
断固としたその口調にすかさず俺は反問する
「出せない、出さない、絶対にね・・・」
静かに呟くように
そう言うと彼女は二杯目の酒を口元へ運ぶ
「求められないと出してやらないの・・・」
「うん、それはそうだね。」
そこで俺はすぐに立ち上がりカウンターの伝票を手に取った
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