吸いかけの煙草が
灰皿の上で緩やかに紫煙をたなびかせている
会話のふとした途切れからくる沈黙
俺はゆっくりと立ち上がり
彼女の背後にまわると、肩から抱き寄せる
「やはり照れてしまいますね。」
「ええ・・・」
その問いかけに頷いて振り向く彼女の唇を静かに奪う
初めは軽く啄むように
そして徐々に激しく貪っていく
糸を引くような湿りを含んだ舌を絡めあう頃には
二人の肌を遮るモノは何もなく
切ない吐息と息遣いだけが部屋の中に満ちていた
「彼はいつ頃になれば来るのでしょう?」
「ええ、きっともう少ししたら。」
「また、それからも楽しみですね?」
「はい、、、久しぶり・・・ですし」
ベッドの上で熱の冷めやらぬ肌を合わせながら
俺は彼女とピロートーク
「次は彼氏さんを入れて2人からですよ?」
「あっ・・・恥ずかしいです」
「あはは、私もとても楽しみですよ」
「あの、、Rさんまた大きくなってません?」
「あっ、はい・・・」
「お口で、、、してもいいです? 何だかスゴク興奮しているんです」
「ええ、、、」
彼女はその黒い瞳をキラキラとさせながら
再び怒張し始めた俺のモノを握ると
真っ赤な唇にあてて
ゆっくりと咽喉の奥深くまで沈め始めた
ジュル、、、ジュル、、、、
「ふぅぅぅ・・・」
俺はあまりの心地よさについ声を漏らした
その声に調子づいた彼女は悪戯っぽい眼をしたまま
舌を先端から根元に何度も這わせては絡みつける
「私のお口っていいですか?」
「ええ、、、とても。」
「じゃあ、、、もっと気持ちよくしてあげますね」
「・・・・」
俺は両目を瞑ると何度も押し寄せる快感に
そのまま身を委ねることにした・・・
「ん・・・・?」
あまりの肌寒さに俺は震えながら眼を開けた
「しまった!!」
すでに窓からは明るい陽の光が差し込んでいる
どうやら、疲れから俺はあのまま眠ってしまったようだった
慌てて飛び上がると周囲を見渡す
そこには脱ぎ捨てたはずの俺の服がきちんと折りたたまれ
そしてヘッドボードに一枚のメモが・・・
昨夜はどうもありがとうございました。お疲れだったようですね、、、
残念ですが彼と帰ります。
すぐに彼に謝罪のメールをするも
それからは全く返事なし
俺は慚愧の念を抱きながら独り寂しく帰途についたのだった。
教訓:眠気と欲望には勝てぬ
ほんとごめんなさい・・・(涙)
了