「ふぅ・・・」
大きな吐息をつき
俺は彼女をベッドの上にそっとおろした
まずは汗だくの自らの体をシャワーを浴びてすっきりさせる
そして、未だに微動だにしない彼女の衣服をすべて脱がせて
こびりついた吐しゃ物をバスルームで洗い落して干す
「まだ、無理だよな・・・」
そう呟き、彼女に殴られた左頬を独りで何度も撫でる。
「よし。。。」
煙草一本を灰にすると立ち上がり
俺は次の作業に取り掛かることにした
何枚ものタオルを固く絞り
汗にまみれた首筋、背中、、、、
擦り傷でそこら中に血が付いた肘や膝、、、
打ち付けて痣ができたヒップ
上半身から順番にそれらを優しく丁寧に何度も拭いていく
「今、彼女はすべてを俺に委ねている」
やがて、、、
そんな思いが心の中を満たし始め
なんらの怒りも欲望も掻き消えて、、、ただ至福の感情が俺を支配する
全身を拭かれ、ただそこに横たわる純白の肌を持つ存在に
しばしの間、俺は見とれていた
「う、、うーーん」
寝返りを打ち横を向いたその頬に軽く唇を触れると
彼女にシーツをかけ
照明を落とし
俺は独りグラスを傾け始めた
見守る、
否、見つめるために・・・