重なり合った両腕にしっかりと縄をまわす
そして二の腕から胸元へ・・・
キリキリと力を加えていくと彼女の背中が微かに震えた
ふぅーーん。
俺はその瞬間、密かに思わずニヤリとした
「ずいぶんとしっかり締まるんですね。」
彼女は俺に顔を向けるとそう言いながら苦しそうに息を吐いた
「ええ、そうなんです」
「そこに一切、躊躇があってはならないんですよ」
そのまま俺は縄を彼女の肌に深く喰い込ませる作業を淡々と続ける
「そうなんですか・・・」
やがて幾重もの縄の圧力が
その上半身に均等に加わり始めると
ますます動揺に襲われるのか、それを秘そうとして彼女は次第に饒舌になった
もちろんそうした葛藤は俺には丸見え(笑)
「どこか痛くはないですか?」
「ええ、大丈夫です」
俺は冷静に自らの縄目を追いながら
その反応を逆にカキタテル為に
素知らぬ顔でわざと指先を触れて過敏な肌に悪戯をする
「力を抜いていいんですよ。」
「はい、、、」
思わず俺が揶揄すると
縛められ汗ばんだ彼女の両拳が強く握り締められた
「はい、これで完成しました。」
抗うことに忙しく上の空の彼女を横目で見据えながら
息つく暇もなく俺はそこから自らの作品を
ギャラリーであるもう一人の女性の目前で解説を始めた
「ここは関節ですので絶対にいけません。」
「うんうん」
「骨格をきちんと理解していかないと・・・」
「そうなんですね!」
縛られた彼女を立たせて客観的に眺めつつ
そんな会話を2人で続けながら俺はその葛藤の変化を愉しんでいる
もちろんそこには動揺の振幅の幅が
彼女の耐性を越えるかどうかを見極める必要性もあった
そろそろかな。。。
そう感じた俺は心と身体の振り子が振り切れる前に
彼女の縄を一気に解く
「ほらね、縛るよりも解く方は一瞬でできるんですよ」
再び解説をしながら
グッタリとした彼女をベッドへと横たわらせて
散らばった縄を片付けようと
ふと背後を振り返ると
そこには爛々とした眼が・・・
うぅぅ。。。
「では、続いて・・・(汗)」
(了)