その夜、俺は二人の女性と
ホテルの一室でテーブルを挟んで向き合い酒を飲んでいた
初対面にも関わらず会話はスムーズに運び
饒舌な時が互いの胸襟を開かせていく
しかし・・・
彼女達から偶さか発せられる嬌声
アルコールによって高揚した表情
その手足の仕草
彼女達はそれらの所々から緊張感を漂わせ
綯い交ぜな感情を俺に伝えてくる
これから、、、縛られる。
唯、そのひとつの行為が
実は彼女達に動揺を与え続けていたのだ
「では、始めますか?」
その言葉で一瞬、時が止まる
薄いアルコールによる軽い酔いを醒ますと
彼女達へ躊躇の暇を与えず俺は立ち上がった
縄を数本取り出して扱くと
目の前のベッドに順番にしっかりと並べて置く
そうした、眼に見える
有無を言わせずに確固とした意思を表す作業によって
俺は彼女達をしっかりと捕捉する
もう、観念なさい。逃れられないんだよ・・・
これからどうなるか、わかってるだろ?
そこに饒舌はまったく必要ない
「では、まず貴女から・・・」
俺は初めて縛られるという女性を呼び寄せると
肩に手をやりその感触を確かめる
「身体は柔らかい方ですか?」
そう言うと彼女に両肩をよく回すように指示を出す
「両腕を後ろで組んでもらえますか?」
「そう、、、肘を掴むように・・・」
俺の言葉に従順に従いながら
その時、彼女の肌は既に汗ばみ始めていた。
つづく