うららかな日差し
それは休日の午後を過ごすには最良のモノ。
しかし敢えてそれを遮り
まったく閉ざされた空間で滔々とした日常の流れから隔てられ
時を過ごす事もまた楽しい
その日、俺はとあるS女性からのお誘いで緊縛の集まりに出かけた
俺にとって
緊縛の集まりなどというものは
もう何年ぶりだろう・・・
脳裏に浮かぶ記憶はもう霞がかかる程。
一番最初にS女性からお誘いを受けた時、実は俺の中で億劫さがまず先に立った
何故ならその微かな記憶を辿って出てくる言葉は
「権威」 「序列」 「伝統」
「幼稚」 「ごっこ」 「危険」
天邪鬼で群れる事が嫌いな俺にとって
これらは反発を生む以外の何者でもない(笑)
当時の俺が参加した緊縛の集会は
極めて少数だけが持つ特異な技術を伝授するとして喧伝され
そこにごく一部の愛好家達だけが集って
閉鎖的な感覚を持って行われており
上意下達。一子相伝。
まるで厳粛な武道か何かのような体裁を整えているものか
技術的に精神的に
当時の俺から見てもまったく浅はかでしかないレベルのもの
そのどちらかでしかなかった
こうした状況に辟易とした俺は
その後、縛ることを何とか独学で行うことにした・・・
ところがまったく持って
『下手の横好き』
未だに進歩も見えず自己満足さえもできなくなっている(苦笑)
悲しい事に緊縛と言うものは
最近ややポピュラーになったとはいえ
氾濫する写真やネットでの画像にいくら眼を凝らしても
在るのはただ平板な最終形。
そこに至るプロセスや空気、音、感情の揺れなどは一切伝わってこない
ましてやコマーシャルベースによる技術的なモノからは
胡散臭さしか感じない俺にとって
とても信頼するS女性からのお誘いはまさに渡りに船だったのかもしれない
「とにかく、Rさんに絶対お奨めだから来てよ!!」
「うん、じゃあとにかく一度は顔出してみるよ」
「必ずだからね・・・」
「はい(笑)」
そうして俺は
何十年ぶりの経験をしてみようと重い腰をあげた
つづく
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