賑やかな街に
夜の帳が静かに降りる頃
そのホテルのスィートルームには
妖しい刺激に惑わされ
淫らな『時』と言う甘美な蜜を求めて何組もの男女が集ってきたのです
やがて
広い室内で思いのままに寛ぎ
散らばっていた面々へ向かって主催者が明るく話しかけた
「こんばんは、皆さん今夜はようこそ!」
「それでは、軽く自己紹介から始めてみましょうか・・・」
順番に立ち上がり
自己紹介を行う見知らぬ男女を黙って見つめ
絡み合ういくつもの視線
そこには
それぞれの胸に秘められている
様々な思惑や感情が入り混じっているのです
これから
起こるであろう非日常的な行為に対しての
膨らむ期待や欲望だけでなく
切なる情までも・・・
お定まりのように
行われる妖しげなゲームが始まると
ソコココで
緊張のとれた男女たちの親しげな会話が進む
そんな中
ふと俺の目にとまった若いカップルがいた
彼氏は手馴れている様子なのだが
彼女はどうやら
このような集まりの経験が少ないのかもしれない
その綺麗な顔立ちにも関らず
彼女の表情は乾き
張り付いたような強張った笑みを周囲に向け浮かべていた
ところが
その片手はしっかりと傍らに座る
彼の手を掴んでいたのです
「さて、ここで席替えを行います!!」
主催者によって配られたカードによって
男女が互いに移動し始める
俺は引き当てたスペードの5を手にすると
素早く決められた席へ向かった
「すいません・・・」
その声に振り返ると
そこには
ハートの5を持ちながら
緊張した面持ちで立つ先程の彼女がいたのです
つづく
テーマ : エッチな体験談、告白
ジャンル : アダルト