小刻みな震えを繰り返していた彼女は
行為がひとしきり終わると
独り壁に背を凭れ
一気に能面のような表情に戻り、ゆっくりと切れ長の眼を周囲に巡らせる
「曲線が重なりあっているのって、、、すごくいやらしい。」
そう独り呟く。
俺はその様子を眺め
彼女の変化の大きさに興味を持った
「どう、、、縛られてみるかい?」
「え?ほんとです??」
「貴女さえ良ければ・・・」
「お願いします。一度経験したかったので」
再び、彼女の顔は表情を取り戻し活き活きとし始める
両腕を背に回し手首を重ね
彼女の素肌の上を、、、素早く縄が這う
縛められ突き出された乳房
幾重にも縄が喰いこんだ上腕
興味津々の俺は縛りながら彼女の表情を何度も盗み見る
「どうですか?痛くはない?」
彼女はキラキラとした光を湛えた眼で俺を見返すと
堅く結んでいた唇を微かに開く
「ええ、全然大丈夫です」
「そう?良かった」
「あの、、、どうなっているのか、見てみたいんですけど」
「うん、そうですね」
薄暗い部屋にある鏡の前に立たせる
「あぁ、綺麗ですね。」
うっとりと自らの姿を見つめていた彼女は満面の笑みを湛える
「では、、、もう縄を解かせてください」
「え?、、、はい・・・」
「やはり、こういうものは刹那がいいんですよ。」
「ええ、そうかもしれませんね。」
彼女は淋しげに縛められた手首を俺に差し出す
少しづつ与えられていたモノが解き放たれ・・・
同時に彼女の表情も徐々に仮面に覆い尽くされていく
「どうもご苦労様でした」
最後の一筋が肌の上を滑り落ちる
「こちらこそ、ありがとうございました、いい経験になりました」
「うん、よかったね」
そこで俺は気が付いた
彼女の眼がまだ光りを帯びていることに・・・
そして、、、ノシカカラレ
クワエラレ、、、ヒトシズクモノコラズスイツクサレタ。