「是非、私達とご一緒に旅行をしませんか?」
何度もお逢いし親しくさせて頂いていた
ご夫婦からの魅力的なその申し出に喜び勇んだ俺は
二組での楽しくも妖しさが盛り沢山な旅行の予定を立てた。
ところが、、、ご主人に急用が出来てしまい
旅行に参加できなくなってしまった
「すいません、できれば妻だけでもご一緒させて下さいませんか?」
「ええ、もちろん私達は構いませんが、宜しいのでしょうか??」
「はい、是非お願いします!!」
「では、奥様はお独りですし、予定していた妖しい事は抜きで。」
「いえいえ~~それは当然、予定通りでお願いしますよ」
「えぇ?奥様はそれで宜しいんですか?」
「もちろんですよ!ただひとつお願いが・・・」
「どうぞどうぞ!なんなりと!!」
「様子を知りたいので、何回か私から途中にお電話しますが構いませんか?」
「ご心配なのは良くわかりますから、いくらでもどうぞ」
「ありがとうございます。では遠慮なく」
「ええ、どうぞ気にせずおかけください」
ところがこれがきっかけとなったのだった・・・
まずはホテルにチェックインして部屋に入り
3人で荷物を解いた瞬間
プルプル♪
「うんうん、、、今着いたところ。」
奥様が携帯で無事到着したことをご主人に報告される
そして電話を切るや否や
プルプル♪
今度は俺の携帯に・・・
「どうも無事に着かれたようですね。いろいろとよろしくお願いします」
ご主人の妙に弾んだ声が耳に響く(笑)
そこでしばらく話しをして俺が電話を切ると
プルプル♪
今度はパートナーの携帯が鳴り始める。
その後もこんな調子で
夜の食事までの間、幾度となく携帯電話のベルが鳴り続けた
「さすがにご主人もお疲れでしょ?」
俺が奥様のグラスに酒を注ぎながら悪戯っぽく質問すると
「うーーん、どうでしょう(笑)」
彼女は頬を赤らめながらそう言うと妖しく微笑む
「ご主人は今回の旅行について何かおっしゃっていました?」
「そうですね、自分が行けないのを凄く残念がっていました」
「うんうん、そうでしょうね。電話からよく伝わってきます」
「でも、彼には自由に愉しんで来なさいって言われました」
「なるほど(笑)」
「多分、逆に彼は凄く悦んで愉しんでいるんですよ(笑)」
「そうなんですか?」
「ええ、今も彼が何を想い、どうしているかが、、、私にはわかります」
「頭の中で妄想が膨らんでいるとか?」
「そうですね・・・きっと何も手につかないのかも(笑)」
「では、それを煽りたててみたい?」
「ええ、もちろん・・・(笑)」
恥ずかしげに眼を伏せた彼女は席を立つとトイレへと向かった
しかし、そこで申し訳なくも彼からの電話に
食傷気味となっていた俺はパートナーと顔を見合わせると
そそくさと携帯をマナーモードに変更することにした(汗)
やがて、美味しい酒と料理に心地良くなった3人は
ホテルの部屋へと戻ることと・・・
つづく