「ねぇ、、、ほら、、、見てみてよ・・・」
「なんですか?」
俺は彼女に促されるままに後ろを振り返った
「彼、あーやって、また私を見ていないのよ」
「ふーん、そうなの?」
俺の背後では彼女のパートナーが女性を抱きしめていた
「私・・・彼がいつも見ているって言うからこの遊びをしているのに・・・」
「なるほど。いつも彼の視線を感じていたい?」
「ええ、そうよ。」
「でもいつも貴女を見ているのは難しいのでは?」
「そんなのわかっているわ。」
「ええ・・・」
「でもその姿勢が見られるのとそうでないのは違うのよ」
「なるほど。」
俺は彼女のうなじに舌を這わせながらも
その話題につられてしまった
彼女はもうとっくに
そんな彼の態度によって妖しい気分が吹き飛んでしまったのだろう
まったく俺の愛撫に何ら反応もしなくなっていた
「ああぁっ・・・もうダメ。」
そう言うと彼女は素早く彼の元へと近寄って
その上に乗りかかっていた女性を押しのけた
「ねえ、私と約束してたよね?」
茫然としている彼を問い詰めるが否や
彼女はその身体の上にのしかかっていき絡み合おうとする
そこで、すぐさま俺は撥ね退けられた女性を抱きとめると
その場の雰囲気を保とうとしてその二人からともかく離れた
「あとはお二人に任せますね。」
俺は彼に静かにそう言うと
暫し彼らから距離を置くことにして
その後はまったく何ら関わらないこととしたのである
この遊びにおいて
それが男女問わず、自らのパートナーを御しきれない場合
周囲の参加者に与える悪影響は計り知れない
何しろ二人一組での行動がとても大切なのだし
調子の良い「おためごかし」はまったくそこでは通用しないのである
その後、ひとしきりの時が経過し
それぞれの参加者は部屋を退出しようとする
「どうも、また良かったらお会いしましょう」
俺の社交辞令に彼女はひとこと・・・
「いえ、今回でもう二度といい。」
しかし、、、
まったく彼らには
こちらも余計な気を遣わされていい迷惑である。
この遊びはもうサッサとやめなさいと俺は凄く思うのではあるが
彼らはまだこの世界にネットの中で存在している・・・
しかも・・・
これはレアケースではないのである(汗)