「それで・・・?」
「ええ、とても楽しかったわ。」
「そうかい・・・もう少し聞かせて欲しいんだけど?」
「いいわよ。何が聞きたいのかしら」
つい先ほどまで男との逢瀬を楽しんできた彼女に対して
俺は興味津々となって質問する
そこにはもちろん多少の嫉妬もあるにはあるが
それ以上に彼女自身を識るうえで俺にとっては絶好の機会でもある
何しろ女性が自らの主観的な男性観を
客観でもって男性に晒すことは極めて稀なのだ。
しかしそこは悪趣味とならないよう
気をつけてなるべく淡々と客観的な対応で接することが肝要だが(笑)
「彼とはもう長いの?」
「ええ、そうよ。とてもいい人だし」
俺との会話の最中に
彼女は比較して「でも貴男の方がいいの!」などと言う
ベタなおためごかしは決して口には出さない
きっとそれが通用しないことを女の本能として知っているからだろう
「ふうん、なるほど・・・」
「以前に比べたら今は関係は落ち着いてきたかな。」
彼女が与える苦汁は俺に心地よく浸みわたってくる
「なんだか、私・・・手の内をすべて貴男に見られているんじゃないかな?」
「あははは そんなことはないよ(笑)」
「うーん、どうもそんな気がする。」
さすがに機敏な彼女はそろそろ口が重くなってくる
そこで俺はそそくさと撤収して話題を転換すると得たものを深く仕舞い込む
「でもね、、、貴男って変なひとだよね?」
「あぁ、そうかもね(笑)」
俺はニヤニヤしながら彼女を見つめそう応えた
「で・・・これからどうする?」
彼女は瞳を逸らしもせずまっすぐこちらを見つめ返す
そこで俺はそっとその手首を掴むと徐々にキツク捩じ上げた
「あぁ、そうだね。こうしようか・・・」