「初めてなんでしょうか?」
「いえ、多少は経験あるのですが、それほどでもありません」
「わかりました。」
そこで俺はどう縛ろうかと迷ったが
彼女のか細い手首に縄をかけた瞬間にそれは吹っ切れた
真っ白な二の腕から
そのふくよかな胸元へと縄を回し
留めを入念に施すと一気に強くキツク締め上げる
「あっっ、気持ちイイ・・・」
彼女は衆人環視の中である事を忘れ
目を閉じて眉間に皺を寄せ
その身を捩りながら呟くように掠れた声を漏らした
「大丈夫ですか?痛みはありませんか?」
俺が彼女の背後から耳元に囁く
「いえ・・・大丈夫。」
そこで俺は悪戯っぽい笑みを浮かべ
力なくうなだれた彼女の顎をそっと持ち上げ
ゆっくりと後方へのけぞらせて一段と縄のテンションを高める
「あっ・・・うぐぅぅぅ。」
すると今まで堅く結ばれていた彼女の唇がやや開き
何度も息を吐き出す
「あふぅぅ・・・スゴクイイです。」
その日、俺はパートナーを伴って
複数の男女が参加する妖しげなパーティを訪れていた
そして、いつものごとく
会話の中から余興まじりで緊縛を行うこととなった
つまり・・・よくある「うちの彼女を一度縛ってやってください」(笑)
もちろん大抵は単なる興味本位の輩ばかりなケースが多い為
俺も空気を読んだうえで適当に流すことにしている
ところがその彼女は
縛られることで感覚がやや変化してしまったようだった
「では、もうそろそろ縄を外します・・・」
彼女はあまり経験も無いようだったので
俺はせいぜい10分ほどでその縛めを解いたのだが
「あのぅ、、、もう一度縛ってもらっても良いですか?」
やや少し潤んだ眼をした彼女は
そそくさと縄を仕舞おうとしている俺に話しかけてきた
「ええ、お二人さえ良ければ構いませんよ」
「是非、お願いします」
「わかりました。次はもう少しキツクても?」
「はい。」
「では、少しお休みになられてからしましょうね」
「はい、宜しくお願いします」
そう言うと彼女はすぐ傍で様子をじっと眺めていた彼氏に
しなだれかかるように抱きついた
つづく