丁度、一時間経過した頃
チャイムが数回高く鳴り響く
「こんばんは、遅くにすいません」
「どうも、はじめまして。」
そこにはガッシリした体格の男性と小柄で清楚な女性が立っていた
彼は手土産のワインボトルをテーブルに置くと
すすめられるままソファへ腰を下ろす
「わざわざ、お越しいただき有難うございます」
「いえ、私達はこんな時間でも全く大丈夫なんです」
俺の社交辞令の挨拶に気もつかずに彼は躊躇無くストレートに回答する
「あっ煙草吸ってもいいですか?」
「ええ、どうぞ構いません。私も吸いますので・・・」
しかし、そんな頑な彼も何杯目かのグラスを空けると
緊張も解けたのかやや饒舌になり始めた
会話の糸口はお約束のように
互いのエロ活動について・・・
もちろん俺は手探りのために彼に話しをさせることにする
「実はさっき、今夜じゃなく明日と言われたら止めてましたよ」
「え?そうなんですか?」
「はい、私は自分がしたい時でないと絶対に活動しないんです」
「それではお相手を見つけるのが大変でしょう?」
「ええ、だからほとんど単独の男性を呼んでいます」
「うんうん・・・」
そこでそれまで大人しくしていた彼女が
横合いから急に話し始めた
「ほんと、いっつもそうなんですよ」
「あはは(笑)なるほど」
「いきなりだから支度も大変で、家のこともあるのに・・・」
「でしょうね。」
俺は会話に相槌を打ちながらも
実は彼らとの間合いを計りかねていた
「じゃあ、珍しく今回はカップルだったんですね?」
「ええ、たまたまタイミングが合いましたし。」
どうも彼の目には
相手の存在はあまり捉えられないらしい・・・(笑)
「よく、居るじゃないですか?何日も前から約束して遊ぶみたいな・・・」
「ええ、ありますね」
「あーいうのはまず白けちゃってダメですね」
「ふむふむ」
「相手のことなんか全く興味無いし、自分たちのことを聞かれるのも面倒です」
「うんうん、なるほど」
「だから声かけてダメなら次・・・って感じが一番気楽です」
「何度かお逢いになった方はいるんですか?」
「いますけど、向こうがタイミング合わせてもらえばかな」
「そうですか・・・」
「ともかく、エロ以外でどうのこうのって思わないんですよ」
「ええ、もちろんメリハリは必要です。」
「でしょう?そこが無い奴はダメ」
「ええ・・・」
その後、俺たちは彼らと
所謂「エロ行為」を彼らの思うがままに淡々と行った(笑)
「どうだった?」
彼らが部屋を出ていくと俺はパートナーに問いかけた
「うーん、おざなり(笑)」
「あははは、やはり(爆)」
「それにまったくタタナカッタし・・・」
「そうか。。。」
「そっちは?どうなの??」
「あぁ、それなりにサービスしたって感じ」
「うんうん、しっかり頑張ってたじゃない?」
「でもさ、、、いくら綺麗で可愛くてもお人形みたい・・・」
「どういう意味?」
「つまり、おざなりってことさ(笑)」
翌日、俺はともかく彼に社交辞令としてメールを送った
>昨夜はどうもありがとうございました。楽しかったです
>はい、どうも
>また、遊んでくださいね。よろしくお願いします
>実は貴方達とはセックスが合わないと言うことで
二人ともに一致しましたので再会は難しいです
>了解です
彼の考えるエロと言うのは
きっとそこら中に欠片を撒き散らす事なのかも
もちろん、それらの欠片は決して組み合わさる事は無い
いつまでも欠片のまま。(謎)
了