「やぁ、はじめまして。」
しばらくすると
隣に座っていた男性が俺に声をかけてきた
「どうも、沢山の人数が参加されているんですね?」
「ええ、どうやら今夜は60人以上は来るようですよ」
「へぇ・・・それは凄い!」
「まぁ、入れ替わり立ち代りですけどね(笑)」
「なるほど・・・」
「だから、まだまだこれからも色んなカップルが来ますよ」
「そうなんですか?」
「ほら!今もまた、、、」
そこで俺が後ろを振り返ると
先ほどと同じように
主催者がドアを開けて高く声を張り上げた
「皆さ~~ん!○&○さんが今、お越しになりましたよ♪」
途端に絡みつくような視線が一斉に彼らに注がれる
ドアが開かれるたびに続々と増える参加者達。
室内では誰もが
互いの視線を密やかに絡めあわせながら
剥き出しの欲望をひたすら覆い隠して時を過ごしていた
そんな微妙な均衡を破ったのは
主催者の掛け声だった。
「さぁ~みなさん!そろそろ楽しみましょう!!」
とたんに部屋の中の密度が一変する
それまで遠慮がちに交わされていた視線の濃度が上がり
秘められていた欲望が露にされる
数組のカップルがベッドルームへと移動すると
「一緒にいかがですか・・・?」
「私たちとどうでしょう?」
ひそひそと囁く声が聞こえ
堰を切ったように何人もの男女が
グラスをテーブルに残してそそくさと動き始めた
つづく