「お待たせしました」
俺が店の前まで迎えにいくと
そこには細身で小柄な男性とやや肉感的な長身の女性が
落ち着かない風情で立っていた
「どうも。始めまして」
「彼女も中でお二人を待ちかねています(笑)」
俺はさぞ緊張しているであろう二人にサッと視線を向けると
そそくさと席へと向かった
「はじめまして・・・」
ありありと硬さの残る口調で相手の男性は言葉を発する
「どうも♪こんばんは」
人懐っこくにこやかな表情をして滑らかに話す女性
「ん?」
その時、俺は事前のメールから受けた印象との違和感を少し感じた
キラキラと輝くグラスがテーブルの上に4つ並ぶ
「では、まずは乾杯いたしましょう」
カチンとグラスを合わせると
互いにゆっくりとした視線をやっと向け合い始める
「あぁ~~すごくこのお酒美味しいです♪」
彼女が明るい声でグラスを傾ける
「そうですか?良かった(笑)」
どうやら俺が薦めた酒の味を気に入ってくれたようだ
「彼女はすごくお酒が強いんですよ」
彼は少し赤くなった顔で話し始める
「うんうん、ほんと強そうですよね?」
そこで俺のパートナーが軽く頷く
「わたし、日本酒とか大好きなんです♪」
「へ~最近では珍しいですね?」
「ええ(笑)」
そこで彼が横合いから
「あまり飲みすぎないようにね。。。」
「以前にも酔っ払って大変だったことがあったんですよ」
「じゃあ、今夜は気をつけないといけませんね(笑)」
俺がそういうと彼女はニコッと微笑む
やはりお酒の力は偉大かもしれない・・・
少しづつ硬さがほぐれてきた彼らは徐々に自分たちの経験と嗜好を語り始める
「私は何度か経験はあるのですが、彼女はまったくなくて・・・」
「私が以前にこんな遊びもあるんだけど?って言うと彼女が関心を持ったんです」
「すごく大切な彼女なのですが、彼女がどう変化するかが見たくて・・・」
「わたし彼から言われてちょっと面白いかな?って(笑)」
「実はわたしそれに近いことの経験はあるんですよ」
「きっと嫉妬しちゃうかもしれないけど、彼がしてるのも見てみたいんです」
俺達は彼らが語るそれぞれの熱い想いを聞きながら
合いの手をいれたりアドバイスしたり
特に彼女に対してはその緊張を解きほぐそうと
つまらないオヤジギャグも言ってみたり(汗)
ふと時計を見ると
話し始めて既に3時間が経過していた
「あっもうこんな時間です。随分と楽しい時間は早いですね(笑)」
「私達はそろそろホテルへと戻りますが・・・」
「もし良かったらご一緒されますか?」
俺が低い声でそう言うと
二人は互いに顔を見合わせ
彼が再び硬くなった声でその問いに応えた
「はい、宜しくお願いします」
つづく