どんよりと湿り気を帯びて
澱んだ空気が全身にまとわりつくような夕刻
鉛色の雲に覆われた空から
ひとしきり激しい雨が降り始めると
その肩に大型のバッグを担いだ
俺は行き足を速め
待ち合わせ場所のとある駅の改札口へと向かったのです
彼らと逢うのは
これでもう二度目。
俺とは以前に
ある店で知り合ったのですが
互いの欲望に関して語り合って意気投合し
そしてお互いに様々な欲を堪能し
別れ際に再会を約したのでした
「お久しぶりです」
やや緊張した面持ちで彼が私に右手を差し出す
堅く握手を交わした俺がふと視線をあげると
その背後には
ほんのりと頬を紅く染めた彼女が
寄り添うように立ちつくして…
「とにかくまずは食事でも。」
彼が発したその言葉を切欠に
激しく叩きつけるような驟雨の中
三人は歩きだしたのです
つづく
テーマ : エロス
ジャンル : アダルト