智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
『草枕』
夏目漱石
その夜
俺はTちゃんを伴い
あるカップルとシティホテルのBARで飲んでいた
彼らとは過去数ヶ月の間
何度かメールでのヤリトリを繰り返し
互いの嗜好をある程度
確認しあった上で今夜を迎えたのです
やがて
軽く日常の話題から始まった会話も
徐々にその内容が酒とともに妖しげなモノへと変り始める
「多少の経験は今までにもありますので、是非ともお願いします」
そんな彼氏の言葉には
ある意味『熱意』が感じられました
「今までお二人でのご経験はどのような?」
俺のその問いかけに
彼の表情は一瞬澱んだのですが
すぐさま
「実はこんな風に四人で逢うケースは初めてなんですよ」
「でも、お店では二人ともすごく愉しんでたりしました」
そう応えると
傍らに座っている彼女を振り返り
同意を求めるように話し掛けたのです
「君もお店ではいろいろと愉しんでいたよね?」
「ええ・・・」
彼女は恥ずかしそうに小さく応える
「実は、こう見えても彼女ってすごく乱れるんですよ!」
「どうも見られる事に感じるようなんです」
畳み掛けるように彼はそう続けた・・・
「その時って貴方はいつもどうしてるのですか?」
「はい、彼女を好きなように遊ばせて愉しんでいますよ」
「そうですか・・・」
彼のそんな続けざまの言葉に
ついある種のズレを感じてしまった
俺はさりげなく彼女に向かって問い掛けてみた
「今夜のような事は初めてのようですが、大丈夫ですか?」
彼女はやや顔を赤らめながらも
こちらを見つめしっかりとした口調で応える
「ええ、すごくドキドキしてるけど大丈夫です・・・」
その一言で内心ややホッとした俺は
早速Tちゃんから出されている「OKサイン」を
密かに視線の端で捉え確認すると
静かな声で彼らを誘った
「では、そろそろみんなで部屋へ移動しましょう。。。」
つづく
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