「明日は遅くとも9時には到着しますので宜しくお願いします」
「了解しました。楽しみにしていますね」
ついに前日、彼からのメールを受け取ると
俺はここまで来れた事で自分を褒めたかった(笑)
「何か他に必要なものがありますか?」
「いえ・・・大丈夫ですよ。」
彼に対してもうややこしい事は言わないに限る
「買っていく物があれば何なりと申し付けてくださいね」
「はい・・・!まったくありません!」
既に俺の中ではとっくにエロより
彼への関心が高まって実際に逢うのをとても楽しみにしていた
「そういえば、あれから彼女と長襦袢を買いました。」
「それは良かったですね」
「それに合わせて、私も浴衣を買いました」
「それはそれは・・・」
「なかなか気に入るモノを見つけるのに苦労しましたよ(笑)」
「そうですか?大変ご苦労様でした・・・」
もちろん最後の言葉は
俺から彼にではなく古着屋さんへ向けたものである(汗)
「もう、そろそろ9時ね。」
色っぽく着物の襟足を整えながら彼女が呟く
「あぁ、そうだね・・・多分、ぴったりに来るんじゃないかな」
「あははは、彼って異常に細かそうなんだよね?」
「まあね・・・(汗)」
俺は敢えて今までの経緯をすべて語らずに
彼女と差し向かいで静かに酒を酌み交わしてメールを待つことにした
しかし・・・9時をとっくに過ぎても彼から音沙汰がない(汗)
「あれ?あれだけ細かいのにどうかしたのかな?」
すると30分も過ぎた頃
「申し訳ありません、少し押しまして・・・まもなく向かいます」
そして1時間を越えた頃にまたもやメール
「すみません、大変お待たせして・・・彼女が間が悪くてあと1分で出ます」
やがて日付が変わると
「ねぇ・・・いったいどうなってるのかな?」
さすがに俺に向かって彼女が焦れる
「むぅ・・・なんとも(汗)」
「もう、待つのもいい加減に諦めて二人でのんびりしようよ」
「うんうん、そうだよね、、、」
そこで俺はとてもどんよりとした疲労感を感じたので
とにかくひと風呂浴びようと立ち上がった
すると携帯にメールが・・・
「大変申し訳ない、もう着きます」
しかし・・・時計は12時半
一瞬、俺は断ろうかとも思ったが彼への興味が強かった為
ついついOKをしてしまった
「こんばんは、遅くなりまして・・・」
「どうも、はじめまして。」
実物の彼はメールの印象とは違って非常に低姿勢であった
「ところで・・・」
そこでいつもの言葉が彼の口からいきなり出た
「はい・・・なにか?」
「実は、明日もあるのでそんなには居られません。」
「ええ。」
「それに彼女にお月様がやって来まして・・・」
「あーーー!そうですか?(汗)」
了
後日、俺は彼の言う
いわゆる非日常でラグジュアリーな空間って言うものを
是非とも知ってみたく再び彼らを誘ってみた
もちろん、、、
あんな苦労は二度と嫌なので
実際に逢うつもりなどまったくなかった(爆)
「是非、次回はお二人に設定していただき、逢いませんか?」
「お誘いありがとうございます。次回の件、調整してみますが・・・」
「ええ、」
「しかし、お約束はできません」
畜生!断られた!!
( ̄‥ ̄)=3 フン