「だから・・・嫌なの」
「どうして?してみたいと言ってたじゃん」
「ううん、それはこの前までのことなの・・・」
「おいおい、いい加減にしろよ」
俺は背後に座っている男女の会話が
耳に飛び込んでくるのも気にせず
のんびりとカウンターでチビチビとやっていた
「じゃあいったいどうすりゃいいんだよ!」
男は呆れたようにソッポを向く
「ごめんね、絶対に嫌ってことじゃないんだけど・・・」
「だけどなに?」
「うん。」
「だって、お前がスワッピングしたいと言ったんだぞ?」
「うん。」
そこで俺の耳がピクリとする(笑)
「どうすんだよ!あれも駄目これも駄目って」
「うん。」
「お前が良いって言う好みの相手をやっと選んだのに・・・」
「だって、やっぱり・・・気分じゃなくなったの」
「ここまで来て止めるのか?」
「ごめんね、想像したら無理だと思い出したの」
「ったく、無理でもいいから行こう!もうすぐ相手も来るんだから。」
「そうね、私からごめんなさいって言うわ」
「そうじゃなくて、とりあえず様子見るだけでもいいじゃんか」
「うん、でも・・・」
そこで俺はカウンター越しに
こちらへと向かってくるパートナーを眼の端で捉えると
伝票を手に取り静かに立ち上がった
「今夜は二人で飲もう」
「どうかしたの?確か初めての方と約束してるんじゃ?」
「いや、いいんだ。」
「いいの?」
「あぁ、こちとら慈善事業する気はないからね」
「わかった(笑)」
「こちらから先方には断りを入れておくよ」
彼女はニッコリ微笑むと
すぐさま俺の腕に手を絡ませてきた
「それなら今夜は離さないわよ・・・」
こりゃ俺にとっては
こっちの方が厄介だったかもしれない(汗)
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