その日俺は
かれこれ1年ほど前からネットで仲良くなり
メールでヤリトリを繰り返していた
Dちゃんと初めて逢う為
とある下町の駅のホームに降り立ちました
どこにでもあるような
殺風景な改札口をすり抜けると
俺は待ち合わせの時間までまだ随分と間があることに
そこで気づいたのです
ところが
駅の周囲を見渡しても
適当に時間を潰せそうな場所も見当たりません
「うーーん、どうしようか。」
そこで
困り果てた俺の眼が
床屋さんの看板にふと止まったのです
「女性に逢うのだし身だしなみはしっかり整えておかないと!」
そう思いついた俺は
懐かしい三色の渦巻模様が
クルクルと廻っている看板がデンと構える
下町情緒たっぷりなお店のドアを押し開けたのです
「へぃ!ラッシャイ!!」
ガランとした店内に入ってきた俺を
渋い感じのオヤジさんが
まるで寿司屋のような威勢のいい掛け声とともに
迎えてくれました
「今日はどうしやす?」
渋いダミ声が椅子に座った俺の耳元で囁かれます
「そうですね…」
「少し長くなったんで適当にサッパリとしてください」
「わかりやした!!」
やがて
熱い蒸しタオルを顔に乗せられると
あまりの心地良さに
俺はついウトウトと夢見心地になってしまいました
「お客さん終わりましたぜ!」
オヤジさんのダミ声で眼が覚めた
俺は起き上がると慌てて時間を確かめました
「う!まずい!!」
何しろ
既に待ち合わせの時間だったのです
つづく
テーマ : 男と女の関係
ジャンル : アダルト