「両手を後ろで組んでもらえますか?」
「ええ、そう・・・両肘を持つように。」
「結構、身体は柔らかい方ですか?」
「うんうん、そうです。痛みがない自然な位置で・・・」
俺はそう問いかけながら
女性の表情の変化や心体の機微をじっと窺がう
「では、縄がかかりますが、痛ければすぐに仰ってください」
「いいですか?無理はしないでくださいね」
徐々に全身に縄を這わせ、静かに話しかけながらも
無言で頷く女性の眼の動き
汗ばむ肌のざわめきと呼吸による乳房の震え
俺は全神経を集中させてほんの少しの変化も見逃さない
相手との時間の経過においてそれを感じとる事もある
また自らの過去の経験によってそれを感じとる事もある
いずれにしろ・・・
全ての手がかりは、目の前の縛る女性の中にある
しっかりとよく見つめることだ